出雲系譜と天之日矛のはなし

orig: 99/05/02


応神記にある「天之日矛」(あまのひほこ)の話を読んでいたら出雲系譜に出てくる名前といくつも「語呂合わせ」(?)が出来そうなので面白くなりました。

応神記読み下し・訳関連出雲系譜(=は婚姻、←は親子関係)いいがかり(^_^)
また昔、新羅の国主の子があり、名前を天之日矛と言った11.多比理岐志麻流美神 = 活玉前玉比賣 ← 比比羅木之其花麻豆美神比比羅木と新羅
新羅国に阿具奴摩という沼がある12.美呂浪神 = 青沼馬沼押比賣 ← 敷山主神青沼馬沼=アグヌマ、または、阿具の「具」を「は」と読む例もあり註3、そうなら「アハヌマ」でもっと近くなる
賤しい男から玉を取る・美麗な女性が誕生する・結婚する11.多比理岐志麻流美神 = 活玉前玉比賣 ← 比比羅木之其花麻豆美神次も参照
天之日矛が持ってきたものは玉津寶といって珠二貫、、11.多比理岐志麻流美神 = 活玉前玉比賣 ← 比比羅木之其花麻豆美神活玉と前玉の二貫・註1
振る比禮、切る比禮、風振る比禮、風切る比禮12.美呂浪神「浪」字だけ、、、
曾孫に「多遅摩比那良岐10.甕主日子神 = 比那良志毘賣 ←オカミの神「ヒナラキ」と「ヒナラシ」
垂仁3年紀:足高玉1箇 註28.国忍富神 = 葦那陀迦神(亦名、八河江比賣)アシタカとアシナダカ

註1:珠・玉に就いて:先代旧事本紀(巻3)では天神の宝の中に「生玉1つ、死反玉1つ、足玉1つ、道反玉1つ」との表現があり、「生玉=活玉」の推定を許す。なお、先代旧事本紀の比禮に関しては「浪」の字はない。

註2:日本書紀の垂仁紀には「ツヌガアラシト」と「天日槍」の話が連続して記述されており古事記の内容に照らすと同一人物のように窺える。「ツヌガアラシト」は出雲を経由して大和に入ったと書いてあり、出雲との関連があっても良い訳である。

註3:応神記の皇女に「阿具知能三腹郎女」があり、応神紀の「淡路御原皇女」との表記から「阿具知」を「アハチ」と読めることを知り、即ち、「阿具ヌマ」も「アハ沼」の可能性があり「青沼」と近くなる。馬沼の方は、、、? 或は「青沼馬沼」で「アヌマヌ」と読むのか。そして、「アハ沼の」という捉え方をするのか。

以上、無理もありますが、阿具奴摩と青沼馬沼、珠二貫と活玉前玉、あたりの符合から、とにかく拾ってみました。ここからどう展開が可能か、、、、


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