「ミソサザイ」参考情報

photo: あるば氏
<「ミサンザイ・考」>

orig: 2017/03/26

みそさざい の異名
みそさざい@H.Hiraizumi's Birding Page 【野鳥辞典】
H.Hiraizumi's Birding Page 【野鳥辞典】目次
-----------------------------------------------------------
ミサンザイ古墳リスト

淡輪ニサンザイ古墳(たんのわ -) (大阪府泉南郡岬町淡輪)
岡ミサンザイ古墳 (大阪府藤井寺市)
上石津ミサンザイ古墳 (かみいしづ -)(大阪府堺市西区)
土師ニサンザイ古墳 (はぜ -)(大阪府堺市百舌鳥西之町)
鳥屋ミサンザイ古墳(奈良県橿原市鳥屋町)
四条ミサンザイ古墳(奈良県橿原市畝傍町)

ニサンザイはミサンザイの訛りでもあろうし、堺市のように両者が近接する場合には弁別の為に音を替えてのでもあろう。(韮はニラともミラとも云う、他にミホドリ:ニホドリ、蜷ミナ:ニナ)
-----------------------------------------------------------

ミソサザイ

『ミソサザイ』(民話)
― 岩手県 ―
語り 井上 瑤
再話 六渡 邦昭
提供 フジパン株式会社

 むかしむかし、ミソサザイはこぼしやであったと。
 毎日毎日、藪(やぶ)から藪へと飛び移り飛び返り、ああこの藪もつまらない、あの藪もつまらない、とこぼしては舌打ち(したうち)してあくせくしているのだと。
 あるとき、鳥仲間が寄り集まって、たがいに御馳走(ごちそう)をしあおうという相談をしたと。そしてその御馳走の順番(じゅんばん)がこの鳥のところへ回って来た。鳥たちは、
 「どうもあのミソサザイじゃなあ」
 「ンだ。なりがこまか過ぎて、ろくな物ぁ出せまい」
と陰口(かげぐち)たたいて、今回ばかりは期待していないふうだ。

 とうのミソサザイも、なんにも当(あ)てがないので、朝から晩まで、あっちの藪蔭(やぶかげ)、こっちの藪蔭と舌打ちしながらさがし回っていたと。 

 そうしているうちに、ある藪の中で大きな猪(いのしし)が昼寝(ひるね)をしているのを見つけたと。
 ミソサザイは、
 「こいつは見(め)っけモンだ」
と、すぐさま猪の大きな耳の穴に潜(もぐ)り込み、鋭(するど)い嘴(くちばし)で猪の脳天をコツコツ突っついたと。
 さあ猪はたまげた。何が何だか分からないまま、
 「頭が割れるう、助けてけろう」
と狂(くる)い叫(さけ)んで、どこまでも突っ走(つっぱし)り、あげくの果てに大きな岩に頭をぶっつけて死んでしまったと。

   ミソサザイは誰よりも立派なご馳走をして、仲間を魂消(たまげ)させたと。
 その次の番は山の荒鷲(あらわし)の番であった。
 荒鷲は、あんなちっぽけなミソサザイでさえ大猪を捕ってみんなに振舞ったのだから、俺はもっとすごいものを捕って、仲間の奴等(やつら)をさすがと言わせてやりたいと思って、天気のよい日に空を舞い飛びながら下を見張っていたと。

 すると、大きな鹿(しか)が二匹並んで日向(ひなた)ぼっこをしているのが見えた。
 荒鷲は、見ていろとばかりにさっと飛び下り、一度に二匹の鹿をつかんだと。
 二匹の鹿はびっくりして、跳り(おどり)上って右左に駈け出した。
 そのひょうしに荒鷲は生爪(なまづめ)をはがして大怪我(おおけが)をしたと。
 「欲(よく)する鷲は爪を抜(ぬ)かれる」という諺(ことわざ)は、これがおこりだと。
 それからのち、鳥仲間の寄り合いで、ミソサザイは何も捕れなかった荒鷲に代って、鳥の王様になったと。

 どんとはらい。 


{全く同じ話が柳田国男の「日本の昔話」にも播磨で収録されている。}
-------------------------------------------------------------------------------
No.0233 みそさざいはとりのおうさま

ミソサザイは鳥の王様

放送回:0145-B 放送日:1978年08月05日(昭和53年08月05日)
演出:やすみ哲夫 文芸:沖島勲 美術:やすみ哲夫 作画:やすみ哲夫

あらすじ
昔まんまる山で、鳥たちが愉快に宴会をしていました。カラス、フクロウ、鷹など、いろんな鳥たちが仲良く酒を飲んでいるうちに「鳥の中で一番強いのは誰か?」という話になりました。

みんな口をそろえて「鷹が一番強い」と言いましたが、一番小さなミソサザイは酔っぱらった勢いで「俺様が一番強い!」と言いだしました。鷹はミソサザイの挑発にのっかり、とうとう鷹とミソサザイはイノシシをやっつける勝負をすることになりました。

翌朝、酔いも覚めてすっかり青ざめてしまったミソサザイでしたが、もう後には引けません。こわごわイノシシに挑みましたが、何とした幸運か見事イノシシをやっつける事に成功しました。

勝ち誇るミソサザイに対抗して、鷹は同時に2匹のイノシシをやっつけようと果敢に挑んでいきました。しかし、2匹のイノシシの背の上で、鷹は体を真っ二つに引き裂かれてしまいました。こうしてミソサザイは、鳥の大将になったという事です。

(紅子 2012-4-3 22:08)
サラ文庫まんが日本昔ばなし第28巻-第140話(発刊日:1979年1月30日)/
講談社テレビ名作えほん第038巻(発刊日:1981年2月)
-----------------------------------------------------------------

ミソサザイ・人間との関係

日本では古くから知られている鳥で、古事記・日本書紀にも登場する[注釈 4][6]。なお、古くは「ササキ」であったが時代が下り「サザキ」または「ササギ」「ミソササギ」等と言った。冬の季語とされている(季語一覧#冬の季語)。江戸時代の俳人小林一茶が「みそさざい ちっというても 日の暮るる」の句を詠んでいる。1710年(宝永7年)に、蘇生堂主人による鳥の飼育書の『喚子鳥』で描写されている[17]。

西欧各国の民間伝承においてはしばしば「鳥の王」とされ[6]、各国語における呼称も君主や王の意を含んだ単語が用いられる。グリム童話の『みそさざいと熊』で「鳥の王さま」と呼ばれていた[18]。また、ヨーロッパコマドリと対になって現れることも多い。かつては、ヨーロッパコマドリがオス、ミソサザイがメスだと考えられており、「神の雄鳥」「神の雌鳥」として伝承中では夫婦とされていた。また、イギリスではヨーロッパコマドリが新年の魂を、ミソサザイが旧年の魂を宿しているとして、クリスマスや翌12月26日の聖ステファノの日に「ミソサザイ狩り」が行われていた[19]。

森の王に立候補したミソサザイが、森の王者イノシシの耳の中に飛び込んで、見事にイノシシを倒したものの、だれも小さなミソサザイを森の王とは認めなかったという寓話が有名である。

{有名である、というがこのような寓話は見つけていない(含む英文)}

また、ミソサザイはアイヌの伝承の中にも登場する。人間を食い殺すクマを退治するために、ツルやワシも尻込みする中でミソサザイが先陣を切ってクマの耳に飛び込んで攻撃をし、その姿に励まされた他の鳥たちも後に続く。最終的にはサマイクル神も参戦して荒クマを倒すという内容のもので、この伝承の中では小さいけれども立派な働きをしたと、サマイクルによってミソサザイが讃えられている[20]。『ワシとミソサザイ』の童話の題材とされている[21]。
---------------------------------------------------

みそさざいは鳥の王様:アニメ
----------------------------------------------------
英米文学鳥類考:ミソサザイについて

桝田隆宏
松山大学論集
第 22巻 第 1 号 抜 刷
2010 年 4 月 発 行
----------------------------------------------------

ミソサザイ一番強いと

ある時、猪がミソサザイを嘲り、俺は世界中で一番強いと 威張ると、負けぬ気のミソサザイは、俺はこれでも鷹の仲間 だから強いと争い、ついに優劣を決する段になり、ミソサザ イはまっ先に猪の耳の中に飛び込み、チョンチョン啼きなが ら嘴で突き立てたので、猪はたまりかねて頭を振ったがおよばず、岩角へぶっつかって頭を割って死んでしまう。
----------------------------------------------------

「時代別国語大辞典上代編」
さざき:みそさざい【考】カヤグキ 草・潜き であろう
もず:【考】モズノクサグキ、モズノカヤグキ

これも「百舌鳥耳原」の「モズ」の話も「ミソサザイ」との混同か、と推定する根拠となる。
----------------------------------------------------

「ミサンザイ・考」
HPに戻る