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タイトルCDを聞いて
記事No744
投稿日: 2005/05/22(Sun) 17:04
投稿者所沢
ビオラの方から「大三元の子守歌」を入手して聴く。

まず、作曲がすばらしい、拍手したい。
心が休まる上品な弦楽四重奏曲の逸品で、遊び心もある。
19世紀の名曲小品集を聞いているようだった。

「開放の弦楽」はハーモニーが美しい。簡単そうな曲だが、息を
合わせるのが難しい曲で、演奏者泣かせだろう。
「祭りだ祭りだ」は、アンコール曲に使える素敵な小品。
外山雄三の管弦楽のためのラプソディと並ぶ定番になるのでは?
「ワルツ」は聴き終わっても、メロディーが繰り返し耳に響く。
「第三の男」に出てくるウィーンのカフェを連想してしまった。
「子守歌」は途中のロンドが新鮮だ。目が覚めてしまうと心配しつつ
期待を裏切らず眠りにつける。
「偉大な作曲家の思い出」には脱帽。無理な展開がなく楽しめる。
「メヌエット」「おめでとう」、ピアノ曲にして弾いてみたい気がする。

次に環弦楽四重奏団の見事なアンサンブルに拍手。
アマチュアとは思えない息の合った高度なアンサンブルが表現されていた。
「開放の弦楽」では、ひとつの楽器のように響いていた。
神奈川県立音楽堂で聴いたスメタナ弦楽四重奏団の最後の日本公演できいた
「アメリカ」の透明な響きを彷彿させる演奏、というのは誉めすぎだろうか。
当然のことながら4人全員の音感が等しくなければならないが、プロ
だって難しいことがある。それを練習で克服したのだろう。
すばらしい一体感だ。
惜しむらくは「ワルツ」。これだけの長さの録音だ。疲れてしまったの
だろう。もう少し遊び心を増やしてもいい。カルロス・クライバーの「こう
もり」序曲のように、恋人と踊るように話し掛けるように。
もう一度演奏を聴きたい。

充実した一日だった。

タイトルRe: CDを聞いて
記事No745
投稿日: 2005/05/22(Sun) 20:55
投稿者大三元
所沢さん

わおぉぉぉ、なんと過分なお言葉の数々。
かなり厳しくお聴き頂いた上でのご感想のようで、なおさら舞い上がる気分になります。

> 心が休まる上品な弦楽四重奏曲の逸品で、遊び心もある。

「遊び心」 良くお聞き取り下さいました。重要な要素に考えております。

> 19世紀の名曲小品集を聞いているようだった。

やはり、鼻歌に出ることが出来るような音楽が好きですので、そういうことになるのでしょう。

> 「開放の弦楽」はハーモニーが美しい。簡単そうな曲だが、息を
> 合わせるのが難しい曲で、演奏者泣かせだろう。

はい、舞台裏の話:環弦楽四重奏団の各位も「意外に難しいぜ」ということで念入りに練習してました。一時間も開放弦ばかり弾いていたセコンドバイオリンは次の曲に行くときに、左手の指を解凍せねば、みたいなこともありました。

> 「祭りだ祭りだ」は、アンコール曲に使える素敵な小品。
> 外山雄三の管弦楽のためのラプソディと並ぶ定番になるのでは?

誉めすぎでしょうけど嬉しいっす。今、祭りだ#2に取りかかっています。

> 「ワルツ」は聴き終わっても、メロディーが繰り返し耳に響く。
> 「第三の男」に出てくるウィーンのカフェを連想してしまった。

ある人からは「パリの居酒屋でかかっているバックミュージック」と言われました。どうもアルコールの香りが漂っているのが確かなようですね、(^^)

> 「子守歌」は途中のロンドが新鮮だ。目が覚めてしまうと心配しつつ
> 期待を裏切らず眠りにつける。

某保育園でもお昼寝導眠の定番らしいです。

> 「偉大な作曲家の思い出」には脱帽。無理な展開がなく楽しめる。

私が演奏家を騙し、演奏家が聞く人々をずっこけさせる。ナカナカ難しいプロジェクトでした。弾いてる方が何をやってるんだか熟知してないと。そして、余り練習しすぎると、本物を弾くときに脱線しちゃいそうで怖い、という副作用があるようです。

> 「メヌエット」「おめでとう」、ピアノ曲にして弾いてみたい気がする。

「メヌエット」なるほど。「おめでとう」は結婚式に少なくとも四回登場してきました。最初弦カルで、次いでピアノを嗜む二人の為にピアノ連弾で、次にバイオリン弾きカップルの為に今のバージョン(夫唱婦随にしてある)、そしてフルート+ピアノ。ピアノが入るものはどういうわけか、Es durです。

> 次に環弦楽四重奏団の見事なアンサンブルに拍手。

こちらは、当事者から何かレスがあるかも、と期待しましょう。

ほんと、詳しいお話を有り難う御座います。

> もう一度演奏を聴きたい。
> 充実した一日だった。

「情報発信」していて、こういうお言葉は実に嬉しいです。