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歴史・言語談話室
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タイトル 星、つつ、つち
投稿日: 2011/09/28(Wed) 21:07
投稿者大三元

「つつ」「つち」「星」

上代日本語で「星」のことを「ほし」というのは今と同じであるが他に「つづ」という語があったことも推定されている。その推定の根拠は「ゆふつづ」という語があり「夕星」、すなわち宵の明星のことであると定まっている。ここから「星」は「つづ」だろう、と考えるのだ。しかし単独に「つづ=星」の実例がないそうだ。

ここで「つづ」という音の揺れを「つつ」「つち」あたりにまで拡げて考えてみる。こう考えてみる発端は「天の甕星(みかぼし)」「建甕槌(みかづち)」を対比してみたことによる。すなわち「つつ、つち」が「星」を意味するならば「甕星」も「甕槌」も同じ意味になる。

しかしこの二名は別神のものでしかも敵味方の間柄なのだ。敵味方で同名では困るではないか。そこで思い起こすのがヤマトヲグナがクマソタケルを退治した時に「タケル」名を献呈した、それでヤマトタケルになった、という話だ。この話を「甕槌が甕星を退治した(勝ったのは武葉槌だ、という別伝もある)」との伝に援用するならば、ある幼名を持った神が甕星を退治したことにより甕槌になった、という深読みができる。その幼名が建葉槌であっても構わない。

これを容認して「つつ、つち」あたりが「星」を意味すると措定してみると幾つか面白い景色が見えてくる。

1.甕槌、甕星:三箇星 オリオンの三つ星で良いだろう。

2.住吉三神(上筒男、中筒男、底筒男):如何にも水平線から順次上がってくる三つ星

3.ツチグモ:試みに「星雲」と捉えてみる。オリオン大星雲(M42)を魔物、賊と捉えただろうか、との空想。

4.ベテルギウス、γ、リゲル、κ が形作る四角形を「鋤」と見とれるか?「味鋤(あぢすき)」を読みとれば三つ星(甕津日女)との夫婦を見ることが出来そうだ。(「味」も「うまし」であったか。)誠に三つ星(の一つ)を「からすき(唐鋤)」と呼ぶが上代からこの星のことをそう言っていたかは判らない。

5.手名椎/足名椎:オリオン座のベテルギウス語源がアラビア語の「手」に関わり、リゲルが「足」に関わる。手名椎=手の星、足名椎=足の星 と解いた時の対照が面白い。
(星名の語源がアラビア語であるものがある(多い?)文献としては新しいもの(10世紀末)のようだが古来からの伝承を書物にしたのが新しいだけ、とも云える。

6.開闢神の一に「国狭槌(サヅチ)尊」がある。この神の別称に「国狭立(サダチ)尊」がある。従ってツチ=タチと置き換え可能か、としてみる。「国常立(トコタチ)尊」の別称「国常槌(トコツチ)尊」があり得るか、と言う想定である。「トコツチ」だと「いつも場所の変わらない星」で北極星を意味できそうだ。

7.「ツキ(月)」と「ツチ(星)」の言語的関係も興味のあるところ。
  参照:サキ:サチ 幸

8.「経津主神(ふつぬしのかみ)」「布都怒志命」:「経津、布都(ふつ)」が「つつ」の揺れである可能性は? (主(ぬし)は「〜の大人(うし)」か、と推察していたがアイヌ語 nociw=星 も捨てきれないか。「天御中主」(あめの みなかの ぬし)の「主」もさることながら「みなか」は「みか」とは無関係か。)経津主神は香取神とも云われ香取神社に祀られる。アイヌ語:カントリモシリ kantorimosir【名】「kanto-ri-mosir 天・高い・国] 空のさらに上の世界(天)。 {田村・沙流方言辞典}
  

「みか」関連:
A.「みか」を「三個」と解したいが一抹の不安がある。「三つ」を云うのに「みつ」は良いのだが「みか」があり得るか。「八束水、八箇耳、八上」と括って見た語感からは「みか=三個」もありそうなのだが。
B.『出雲国風土記』楯縫郡条に出てくる「天御梶日女命(阿遅須枳高日子命の妃)」は「天甕津日女命」と同語であろう。「みかつ」が「みかつち」の縮約であるか。

「つつ」「つち」のつく語(人名)を集める。
建甕槌(武甕槌神)かぐ「つち」の血から生まれる
建葉槌命、武葉槌命、天羽槌雄神:試論:武甕槌神に改名

手名椎/足名椎(出雲系譜:素戔嗚尊=櫛名田比賣←手名椎/足名椎←大山津見)

国狭槌尊(同神別称国狭立尊:∴ツチ=タチ?)
天之都度閇知泥神(出雲系譜3.深淵之水夜禮花神=天之都度閇知泥神){ツト?}
野槌、野椎
軻遇突智
表筒男命、中筒男命、底筒男命
磐筒男(女)命
磐土命、底土命「磐=上」と対応しそうだ
雷(イカツチ)
手名椎、足名椎(テナヅチ、アシナヅチ)
手摩乳、脚摩乳(テナヅチ、アシナヅチ)
建葉槌命(タケハツチ)
塩土老翁(シホツチ)
塩筒老翁(シホツツ)

「みか」関連:
「天甕星」(みかぼし)
「天甕津(みかつ)日女命」「天御梶(みかぢ)日女命」
「甕速日神(みかはやひのかみ)」かぐ「つち」の血から生まれる
「速甕多気佐波夜遅奴美神」9.速甕多気佐波夜遅奴美神=前玉比賣←天之甕主神
「天之甕主神」(出雲系譜:9.速甕多気佐波夜遅奴美神=前玉比賣←天之甕主神)
「甕主日子神」(出雲系譜10甕主日子神=比那良志毘賣←オカミの神)
「櫛甕前」(天之穂日を0代として4代目)
「櫛甕鳥海」(天之穂日を0代として6代目。5代目が「櫛月」)


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