歴史・言語方面の話題をどうぞ
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タイトル初めまして
記事No1779
投稿日: 2007/08/20(Mon) 21:32
投稿者dai
初めまして。
現在、原始日本語と高句麗語、百済語について興味を持っているんですが、その複雑すぎる形成過程のせいで、いまいちよく分からないのです。
ちょっと前から百済語→原始日本語説が出てる様なのですが、百済語と高句麗語は全く別の言語だったのですか??

タイトルRe: 初めまして
記事No1780
投稿日: 2007/08/20(Mon) 22:33
投稿者大三元
daiさん、お問い合わせ有り難うございます。

ここらの問題は、あまりに資料がすくなくて何も言えない、というのが現状だろうと認識しております。

それだけでは身も蓋もないので多少私が勉強した範囲でお答えしますと、板橋義三氏によると高句麗語の単語だとされるものが111語あります。僅かそれだけか、と考えるか、考察を進めるのに十分なのか、恐らく前者でしょう。なおかつ、復元してみた語が本当に高句麗語なのか、とか、復元方法に恣意性がないか、とか批判してみると、かなり脆弱なものと思われます(ここらは私のHPに書きました。)

その中で百済語と共通(らしい)するのは4語(私がカウントした)。(なお、高句麗語(?)111語の内、日本語と共通(らしい)ものは47語(板橋氏のカウント))。

上記のような次第で、言葉尻を捉えるようで恐縮ですが「その複雑すぎる形成過程のせいで」とありますが、果たしてどんな形成過程があったのか全く判っていないというのが現状だと思います。

私は、「百済を何故クダラと読むのか」 http://www.dai3gen.net/kudara.htm
で書いたように中央アジアと朝鮮半島のつながりを少しずつ勉強して行きたいと思っています。

タイトルRe^2: 初めまして
記事No1781
投稿日: 2007/08/21(Tue) 08:01
投稿者dai
お返事ありがとうございます。
「百済を何故クダラと読むのか」を拝見させていただきました。
「月」を「tal」と読む・・・現代朝鮮語と同じなのですね・・・感動です。
小生の浅学な知識ですが、上に書いた「複雑すぎる形成過程」についてです。
村山七郎の表(李基文の表を元にしている)です。

  ア   ル   タ   イ   共   通   語
              ↓
  東   部   ア   ル   タ   イ   語
   ↓        ↓          ↓
原始韓系言語  倭・高句麗共通語    先ツングース語
   ↓     ↓      ↓         ↓
 新羅語 原始日本語  原始高句麗語 満州・ツングース語
   ↓     ↓      ↓       ↓    ↓
 朝鮮語  古代日本語 高句麗語   満州語 ツングース語

この様になっています(ちゃんと表示されなかったらごめんなさい・・・)
因みに、日本列島に古代朝鮮人が流れてきたのが5000年ほど前。
それも、一回だけではなく数回とされていますね。

タイトルRe^3: 初めまして
記事No1782
投稿日: 2007/08/21(Tue) 09:44
投稿者大三元
daiさん

村山さんの表、は何に出ているものでしょうか?ひょっとして

板橋義三著『高句麗の地名から高句麗語と朝鮮語・日本語との史的関係をさぐる』(以下、板橋論文、と呼ぶ)(日文研叢書31「日本語系統論の現在」所収)
http://www.dai3gen.net/kg0a.htm

をお持ちなのでしょうか。そうだと話が早い、かも。

タイトルRe^4: 初めまして
記事No1783
投稿日: 2007/08/21(Tue) 10:07
投稿者dai
いえ、小生は中西恭子『ハングルの歴史』、塚本勲『日本語と韓国語の起源』などを読んでいて、専門のものは読んでいません・・・。
現代韓国語を大学で専攻しているもので、最近中期朝鮮語にハマっていたのですが、他にも本を読んでいるうちに日本語との絡みも多くなってきまして・・・。
「3、5、7、10」の話なら知っていますが・・・。

タイトルRe^5: 初めまして
記事No1784
投稿日: 2007/08/21(Tue) 11:37
投稿者大三元
daiさん、わかりました。
1781に関しては別途愚考を書いてみます。

> いえ、小生は中西恭子『ハングルの歴史』、塚本勲『日本語と韓国語の起源』などを読んでいて、専門のものは読んでいません・・・。
> 現代韓国語を大学で専攻しているもので、最近中期朝鮮語にハマっていたのですが、他にも本を読んでいるうちに日本語との絡みも多くなってきまして・・・。
> 「3、5、7、10」の話なら知っていますが・・・。

タイトルRe^3: 初めまして
記事No1785
投稿日: 2007/08/21(Tue) 13:35
投稿者大三元
daiさん

1781で掲げて下さったような系統図をしばしば見かけますが、その意味するところを考えないといけないのではないか、と思うのです。古代日本語の更なる昔の言語を原始日本語となづけて仮に置いて見ても、その実態が何なのか。高句麗語とあっても、その実態がどれほど判っているのか。ましてや原始高句麗語などとなると全く想像の域でしょう。集約して行った源泉のアルタイ共通語もむしろそのような共通語の模索は破綻しているようです。

ですから、このような系統図は、研究者が作業するための仮説として概観するようなものであったとしても(それにしても先入観が固定されてしまう危険もありそう)、決して「このようになっているのだよ」と教えてくれているものではない、と理解します。判ってないことだらけのものがこのように綺麗な枠組みに収まっている、というのはそれ自体で論理不良だと思います。


> 村山七郎の表(李基文の表を元にしている)です。
>
>   ア   ル   タ   イ   共   通   語
>               ↓
>   東   部   ア   ル   タ   イ   語
>    ↓        ↓          ↓
> 原始韓系言語  倭・高句麗共通語    先ツングース語
>    ↓     ↓      ↓         ↓
>  新羅語 原始日本語  原始高句麗語 満州・ツングース語
>    ↓     ↓      ↓       ↓    ↓
>  朝鮮語  古代日本語 高句麗語   満州語 ツングース語
>
> この様になっています(ちゃんと表示されなかったらごめんなさい・・・)
> 因みに、日本列島に古代朝鮮人が流れてきたのが5000年ほど前。
> それも、一回だけではなく数回とされていますね。