タイトル | : CDを聞いて |
投稿日 | : 2005/05/22(Sun) 17:04 |
投稿者 | : 所沢 |
ビオラの方から「大三元の子守歌」を入手して聴く。
まず、作曲がすばらしい、拍手したい。
心が休まる上品な弦楽四重奏曲の逸品で、遊び心もある。
19世紀の名曲小品集を聞いているようだった。
「開放の弦楽」はハーモニーが美しい。簡単そうな曲だが、息を
合わせるのが難しい曲で、演奏者泣かせだろう。
「祭りだ祭りだ」は、アンコール曲に使える素敵な小品。
外山雄三の管弦楽のためのラプソディと並ぶ定番になるのでは?
「ワルツ」は聴き終わっても、メロディーが繰り返し耳に響く。
「第三の男」に出てくるウィーンのカフェを連想してしまった。
「子守歌」は途中のロンドが新鮮だ。目が覚めてしまうと心配しつつ
期待を裏切らず眠りにつける。
「偉大な作曲家の思い出」には脱帽。無理な展開がなく楽しめる。
「メヌエット」「おめでとう」、ピアノ曲にして弾いてみたい気がする。
次に環弦楽四重奏団の見事なアンサンブルに拍手。
アマチュアとは思えない息の合った高度なアンサンブルが表現されていた。
「開放の弦楽」では、ひとつの楽器のように響いていた。
神奈川県立音楽堂で聴いたスメタナ弦楽四重奏団の最後の日本公演できいた
「アメリカ」の透明な響きを彷彿させる演奏、というのは誉めすぎだろうか。
当然のことながら4人全員の音感が等しくなければならないが、プロ
だって難しいことがある。それを練習で克服したのだろう。
すばらしい一体感だ。
惜しむらくは「ワルツ」。これだけの長さの録音だ。疲れてしまったの
だろう。もう少し遊び心を増やしてもいい。カルロス・クライバーの「こう
もり」序曲のように、恋人と踊るように話し掛けるように。
もう一度演奏を聴きたい。
充実した一日だった。