タイトル | : Re: 「にほ」を考える |
投稿日 | : 2011/08/17(Wed) 15:47 |
投稿者 | : 大三元 |
2.更にこの論文は鳥名の「にほ」(カイツブリ)について言及する。略述すると、「にほ鳥」というなら「色鮮やかな鳥」を意味するのであろうがカイツブリは「色鮮やか」ではない、だから「にほ鳥=カイツブリ」は正しくないかも知れない、今後の検討課題である、とする。
この指摘は「にほ鳥」の「にほ」は「色鮮やか」であることを前提として、果たしてそれが「カイツブリ」であるかどうかを検討すべき、としている。
私は、「にほ鳥」の「にほ」と「にほふ」の「にほ」が同じ事である、というのは証明(考証)されていない事であり吟味が必要だと思う(*)。「にほふ鳥」とか「にほひ鳥」ならまだしも「にほ鳥」というように「語根」だけで名称になるであろうか。「にほ鳥」の「にほ」は「にほひ」とは別に考えるべきかもしれない。
今のところ「にほ鳥」の「にほ」の「に」が「土、赤土、赤色」であるかと考える;この場合に「ほ」は新味はないが「秀」であろうか。
(*)例えばカイツブリの一種では背中が青色である、というので、
あたかも青土を背に負っている、つまり、「に(土)負ふ」と理解され「にほ」に縮約された、とか。(ここで、青色、というのが不具合かもしれないが、「に」は単に「土」の意味もあり必ずしも色を問わないであろう。また、「あをによし奈良の都・・・」の「あをに」も「青+赤」ではなく「青土」と考えられている。)
参考: http://www3.famille.ne.jp/~ochi/bird/kaitsuburi-1.html
「カイツブリ」の(現代)方言は:
http://www.asahi-net.or.jp/~SG4H-HRIZ/dic/kaituburi/kaituburi.html
抜粋「みを、みよ、みよう、にお(福島)、みやう、みよ、みよう(千葉)」あたりに「語感」を研ぎすますよすががありそう。
「・・・、とび、・・・(愛媛)」は珍しい語例だ;「そび」と同語と考えるか。